コールセンターあるある【その1】

後処理を短くしましょう

管理者の方に「解決したい問題は何ですか?」と尋ねると人材育成やチームワークの改善を上げられる方がほとんどで、「後処理時間の短縮です」という答えは聞いたことがありません。

しかし、多くのセンターで最も注目されているのは後処理時間で、朝礼で毎朝前日の結果が報告されたり一定期間のランキングが掲示されたりするところもあります。恐らくセンターで働くコミュニケーター、管理者含めて取り組むべき課題は「後処理短縮」だと認識されている事でしょう。

どうもコールセンターの品質=生産性=後処理を短くしましょう、という流れのようですが、もしそれが適切だとすれば、後処理時間が30秒伸びて顧客満足度が10%上がった場合センターの品質はどのように判断されるのでしょう。クライアントが望んでいるのは後処理時間の短縮なのでしょうか、それとも顧客満足を向上させる事なのでしょうか。
後処理時間が短くなれば対応件数が増えるので結果的にお客様をお待たせしないこととなり、最終的には顧客満足に繋がっているという理屈はもちろんですが、長年その課題に取り組んできた結果何が得られたでしょう。頑張る人とそうでない人との二極化や成果を出す人から出さない人に対する不満がつのり、頑張っていた人もやる気をなくし離職してしまったというところもあるかもしれません。
基本的にコミュニケーターの仕事はおおよそ反復作業のため時が経つに連れ慣れて速度が上がり効率も比例して上がってくるものですが、定期的に一定数の離職者が発生するため全体数値としてはこの恩恵を受ける事ができていません。達成したとしてもクライアントからは更なる短縮を求められます。そのせいもあってか、後処理短縮はコールセンターの永遠の課題にように錯覚し取り組むのに相応しいタスクとなっているのかもしれません。

解決したい課題が人材育成やチームワークの改善であるなら、視点を変えると違った現実が見えてきます。もし、チーム内のコミュニケーションが良好でさかんに声掛けが行われ、部署間の風通しも良く活気ある雰囲気だったとしたら。人は良い空気の影響を受け刺激し合いヤル気になって良い結果を残そうと取り組むことでしょう。その影響は後処理時間に留まらず1件あたりの処理時間や応対品質にも及ぶであろうし、雰囲気が良い職場であればおのずと離職者も減っていくことが想像できます。
問題の枝葉に働きかけるのではなく本質に目を向けることで、多くの課題が解決へと向かいます。

とはいっても何をどう始めればいいのかわからないというような状況かもしれません。アービンジャーセミナーの2日目は参加者同士の理解を深め、チームワークを築くのにどのように考え行動すればよいかを体験することができます。